目の前の利益と10年先の利益

今から3年前、この本の著者安田さんが社長を務めるワイキューブ本社を訪れました。

ワイキューブは日本で初めて「中小企業向け新卒採用コンサルティング会社」として一躍有名になった会社です。
新卒採用を推奨する会社だけに、ここの社員も当然優秀な人ばかり。
「あんたの会社の新人君みたいな社員がほしい!」
クライアントにそう思ってもらえないといけませんもんね。
1階は大理石のロビーにワインセラーがありました。
「こんなところで働きたい!」
若者ならみな憧れるような会社です。
『ここでエビちゃんが撮影したんですよ。あと、ちょい悪おやじのジローラモも来たんですよ!』
実に誇らしげに語るのです。
廊下ですれ違うときも、全員一旦止まって笑顔であいさつしてくれます。
教育も徹底していたのでしょうが、何より『私はこの会社で働けてうれしいんです!』という喜びがこちらにも伝わってくるのでした。
「凄い社長だな、こんなに社員を幸せにするなんて・・・」
「1000円札は拾うな」とは、目先の利益に気を取られ、将来の大きなチャンスを逃すな、という安田さんの教訓です。
そのワイキューブが昨年、民事再生を申請しました。
この本は倒産により、皮肉にも1000円札を地道に拾うことの大切さを教えてしまったのです。
実にチャーミングな安田さん・・・社長には向いていなかったのかなぁ・・・
いろんな思いがうずまいてしまいます。