保証会社の男

銀行には大概保証会社があります。
保証会社とは、要は保証人の会社版、法律上の地位は保証人と同じです。
某銀行の保証会社から、ある人の破産事件について電話がありました。
破産者には家があるが、妻が9/10、本人が1/10の持分。
当然財産価値は物件価格の10%。
住宅ローンも付いている。
この担当者、破産者が「1/10」の持分を持っていることに固執し、
「1/10の持分はあるんだから、この分は配当してもらえるんでしょ?」
と。
『しません。奥様が引き続き払いますから。』
「でも1/10はあるんだし、それは本人の財産ですよね?」
『そうですけど、銀行は競売しませんよ。』
「不動産の価値は、、、裁判所が判断するんですか?」
『不動産は別除権者が価値あると判断すれば売却しますが、今回は奥さんが引き続きローンを支払っていくので、それはないです。』
「では1/10の持分はどうなるんです?」
『どうもなりませんよ。』
話が通じない。
『財産を換価するかどうかは抵当権者である銀行が決めること。裁判所は関与しない。抵当権者は破産手続きに関係なく処分換価できる、だから“別除権”というんです。そもそも住宅ローンの支払いは奥さんが継続するのだし、銀行は競売にかけない。かける理由がないですから。』
ようやく理解できた様子。
全くの素人。
この男、日頃どうやって弁護士や司法書士とやりとりしているのか?
トラブルが絶えないだろうと想像がつく。
「住宅ローンがついてるが、配偶者から支払いは継続される。」
これを聞いただけで、「任意売却は無い」と瞬時に判断できなければ勤まらない。
人の保証をする前に、自分の身分の保証を考えなさい。(~_~;)