性転換はしたものの・・・

 

弁護士から以下のようなメールが来ました。

3月に性同一性障害(GID)の方とその妻の代理人として、東京家裁に審判を申し立てます。

女性→男性の性別適合手術を受け、性同一性障害の特例法で戸籍上も男性となった方が女性と結婚し、2年前に第三者精子提供(AID)で子どもをもうけました。
第三者は男性と御親族ですので、男性と子どもとは実際に血縁関係もあります。
民法上、結婚している夫婦の間に生まれた子は「嫡出子」として「推定」されます。
今回も、結婚期間中に妊娠・出産しているので「嫡出子」として扱われるべきものです。
夫が「自分の子ではない」と推定を覆すためには、1年以内に嫡出を否認するか、
その後は親子関係不存在の確認を求める必要があります。
逆に言えば自分の子ではないとわかっていても、自分の子として育てると夫が思えば、
「嫡出子」として法律上は親子だというのが民法の仕組みになっています。
これが、私たち法曹の「民法の常識」なはずです。
そして実際に、男女の不妊カップルで、AIDで生まれている子どもは数え切れないくらい
沢山いらっしゃいますが、すべて嫡出子として扱われています。
ところが本件では、「夫が性同一性障害であり、生殖能力がない」という理由で
兵庫県の某市役所ではねられました。
今日においては、「家族」の形も大きく変容しております。
こんなにも一生懸命「家族」を築いて生きていこうとする人の生き方を
国や行政が否定して良いのでしょうか。
既存の家族観を絶対視し、それ以外の「家族」の形を認めない
それ以外の「家族」は「家族」ではないと国や行政が判断して良いのでしょうか。
このことは、「家族」観をめぐる性同一性障害の方に対する明らかな差別です。
関係者がみんな同意している。
にも拘らず、行政が「推定」を勝手に覆して家庭の平和を乱すのもおかしいと思います。
区役所に再度の出生届提出に行き、不受理か受理のうえ保留ということになると予想されます。
戸籍法121条の「市町村長の処分に対する不服申し立て」の審判を家裁に申し立てる予定です。

・・・みなさんは、どう思われますか?
映画「SEX&THE CITY 2」では冒頭、ゲイのカップルの結婚式から始まっています。
私はこれを見て「もうアメリカじゃ同姓婚は珍しくないんだな」と驚きました。
テレビもオカマちゃんが堂々と出てます。
もう性同一性障害は日蔭の存在ではないんですね。
タイなんか、警察署長や知事までオカマちゃんがいるようです。
国民も当然の存在として受け入れている。
成熟した国家は多様性を認めると言います。
タイは日本よりとっくの昔に成熟しているのかもしれませんね・・・。