伊勢田日記

 私には、3人の子どもがいるのですが、秋になると一番上が私に、
「お母さんは嘘つきやし・・・。」と、言い出します
それは、今は、小6の子どもがやっと、ひらがなを読めるようになった
かわいい頃のことです。 何でもかんでも「これって何?」と、
聞いてくる子どもに、嫌気が指した私は、子どもに国語辞典を購入しました。 
そして、「お母さんは、何でも知っているわけではないの。これから解らないことがあったら、この辞典を見てごらん。お母さんが言うより解りやすく載ってるよ。自分で辞典を引くと、お母さんに聞くより勉強にるからね」と、国語辞典の引き方を教え、渡しました。
 それからしばらくは、辞典を引いて調べていたのですが、だんだん面倒になってきたのか? また、「これって何?」と、聞いてくるようになりました。 これは、まずい ちょっと、お灸をすえてやらねば・・。と、考えていたとき、子どもがテレビを見ていて私に聞きました。
 「たいふういっか って なに?」
私が。テレビを見ると、天気図がちょうどテレビに映っていました。
今がチャンス と、私は、テレビを見ながら言いました。
「たいふういっかは、サザエさん一家と同じようなものかな? ほら、見てごらん。(テレビを指し)一番上が、お父さん、次がお母さん、一番下の小さいやつが、子どもだよ」と、言いました。
 子どもは、「なるほど」 と、納得しておりました。
 そんなあほな説明をしたことも忘れていたある日、
子どもが学校から帰ってきて「お母さんのうそつき!!」と、怒っていました。なぜ?と聞くと、 学校で「たいふういっか」の話になり、先生とお友達とで話していたら、お友達が、台風一家でしょ?と言い出して、先生に「違うよ。台風一過と、書いて家族ではない。」と、笑われたそうです。
お母さんは、サザエさん一家と一緒って言ったと、泣き始めました。私は、「よかったね。自分が台風一家って言ったんじゃないでしょ?」と言ったのですが、子どもが怒って、「うそを教えた」と騒ぎ出したので、
「お母さんは、知らないこともあるから、辞典を買ってあげたよね。ちゃんと、調べなさい。と言ってたと思うけど、違った?」と、言いました。
子どもは、はっとした顔をして「でも、うそついた」と言い張ります。
「当たり前でしょ。こんな面白いこと教えるわけないやん。いつまで信じるか楽しみにしていたけど、意外と早く知って面白ないわ。」と、私が、言ったら、悔しそう顔をしていました。「絶対、お母さんなんか信用せいへん。」と、ぶつぶつ言ってました。
 でも、ちゃんとその後に、一緒に台風一過を辞典で調べましたよ。
台風一過は、今でも意味をちゃんと覚えているので、これもいい勉強になったようです。
 そんな子どもは、今でも「これって何?」と、聞いてきます。信用してもええんか? と、思いつつ、いまだに時々うそを教えております。 こどもも成長しているので、うそは見破られることが多くなりました。 面白くないです。 
ちなみに、下の二人には、うそは言いません。うそを言っても覚えていないので面白くないからです。
こんなお母さんでごめんね。って言うと、「もう、あきらめたからいいよ。」と、子どもに言われました・