この遺言書は無効?2

(「Aに全財産を相続させる。」そう書かれた遺言と戸籍をもって銀行へ行ったAさんでしたが、、)

 

ところが、銀行に遺言書と戸籍を見せたら

「Bさんの相続人は子のCさんになりますね、、、Cさんに来てもらわないと預金の解約には応じられません。」
と言われてしまいました。
Cさんとは40年以上音信不通であること、今どこにいるのかも分からないし連絡の取りようもないこと、などを説明したのですがダメでした。
それで事務所に「Bさんの預金を解約するにはどうすればいいか?」と相談に来られたのです。
実は銀行の対応はこれで正しいのです。
戸籍で確認したら、たしかに相続する権利を持っている人(推定相続人といいます)はまぎれもなく、子のCさんなんです。
いくら遺言があっても、銀行の立場上権利のないAさんの請求に応じることはできません。
遺言が本物かどうか分からないし、後にCさんとトラブルになるからです。
こういう場合はまず、「遺言書の検認」という手続きをしなければなりません。
(続く)