左遷の哲学
彼は業界NO1の会社で働いていた。
そこはライバル企業の「NO1営業マン」ばかりを莫大な報酬で引き抜き、揃えていたので、それ故NO1企業と呼ばれていました。
スターぞろいの会社員の中で、彼は目立つことはなかった。
そこそこの仕事はしていたが、脚光を浴びるような社員にもなれなかった。
そんな彼に業界「万年10位」のライバル企業からお誘いが来た。
「ここにいても、今以上の活躍はできない」と彼はあっさり転職した。
傍から見れば業界1位から10位の会社へ、明らかな「都落ち」だった。
しかし、彼はここで頭角を表した。
腐らず自分の仕事を淡々とこなしていたら、見ている人はちゃんと見ている。外国の有名企業からヘッドハンティングの話が来た。
彼は再び軽やかにこの話を受けた。
同時期、この会社は彼の他に「業界NO2」の会社のエリート社員を莫大な報酬を払ってヘッドハンティングしていた。
今年から彼はこのエリートと同じ会社で働くことになった。
エリートばかりに注目が集まる中、彼はここでも淡々と自分の仕事をこなし、結果を出し続けた。
時には、エリートのフォローまでして。
そんな彼の働きぶりは社内でも社外でも評判となり、この会社は業績もアップ。
とうとうその国で「業界NO1」になってしまった。
ここまで話せば勘のいい人ならお気づきか。
ボストンレッドソックスの岡島投手の話です。
彼のここ2年間の人生は、ざっとこんなもんだろう。
私は巨人にいた頃の彼が嫌いでした。
何が嫌いってあの「陰気くさい顔」がです(-_-;)。
しかし、こないだ彼のインタビューを見て印象が変わりました。
あれだけ活躍してるのに、凄く「自然体」。
『アメリカなんて来る気も無かったっス。
別に大リーグに興味も無かったし、、、
できることなら、今でも日本に帰りたいんスわ。』
なんて言ってるんです、なんともったいない。
大リーグなんて、野球人なら夢の舞台。
そこで賞賛されているのに、彼は全く特別な意識を持っていない。
『別に、、、声かけられたし、来ただけ。』
とそっけない。
私は、この「自然体」こそ彼の強さだな、と思いました。
浮かれず、おごらず、調子に乗らず。
顔だけで判断して、スマンかった。_(_^_)_
少し、岡島好きになりました。(笑)
これからも地味に頑張れ!お地蔵さん。