教育資金贈与信託ってなに?

子や孫の学費を親や祖父母が負担するのは当たり前の話で、そんなものにいちいち贈与税を課税したりしません。常に非課税です。ではなぜ、わざわざ「教育資金贈与信託」なんて制度ができたんでしょう?

これは、もし祖父母が認知症を発症して判断能力が著しく低下してしまうと、孫等に資金援助してあげることができなくなるからです。
そこで、孫等一人につき金1,500万円まで、教育資金の予算として予め信託銀行等に預けておくことで、祖父母が自ら資金援助をしてあげられなくなっても、援助を受けたい孫等の側から信託銀行に請求書や領収書等の証拠書類と共に支払い請求をすることで、受け取れるしくみを作ったのです。それがこの「教育資金贈与信託」。
では、この仕組みを、信託銀行ではなく家族が財産管理を担う「家族信託」で代用することはできないのでしょうか?
結論から申し上げますと、「家族信託」で「教育資金贈与信託」の代用は可能です!
ただし、信託契約書において、信託の目的、信託の内容(受託者がすべき業務)、受託者の権限及び義務の条項等において、子や孫への扶養義務に基づく教育費等の支払いのためにすると記載する必要があります。
もし、両親や祖父母が保有する金融資産を子や孫の教育資金の援助に使いたい、というご希望をお持ちの方がいらっしゃいましたら、「家族信託」を選択肢の一つに加えてご検討されることをお勧めします。

なお、ご検討される場合は、税理士や弁護士、司法書士、行政書士なら誰でも相談にのれるお話ではありませんので、必ず「家族信託」に精通した法律専門職のアドバイスを受けることは必須であるとお考えください。